喘息のひ かりに/
吉岡孝次
1.
あのまま薬をもらわなかったとすれば
病に向き合うこともなく
ときどき不調、で括りあげてきたのかもしれない。日没と
払暁でめくる暦のスピードで
2.
父も、だと
母にとっての閨房は 昔日から立ち帰り
俺は寝酒を飲みながら相槌を
端折っている。
吸入をまた忘れてしまうかもしれないな、と案じている。
戻る
編
削
Point
(2)