インラインスケート/あおば
インラインスケートは過去のものと言い放ち
白いキーボードの上にぼくらの躯を積み上げ
ガソリンぶっかけ始末するために雇われた君
美しい君の繊細な指先はどこまでも透き通り
赤いレーザー・ポインターのように明示する
大理石に象られたアンモナイトの歴史は愛し
私たちは知らぬ間に太古の大森林の中で孤児となり
なんでもいいから食べられるものはないかと木に登り、
崖をよじ登り、絶壁の翼竜の巣に潜り込み丸くなる
緑色の卵と一緒に孵るのをひたすら待っていた
崖下の湖には数多のパソコンがのんびりと
白い淡水クラゲのように浮遊して停滞している
集中豪雨を待って流されるのを待ち続け
しまいにはゲームに夢中になったり
絵を描いたり詩を書いたりのんきな奴らだと思う
回帰する天体もあれば無関心なのもあり様々だ
このようにIT革命前夜には緑色した人々が集合して
源を汚し犯し冒涜し破壊し殲滅し見えないものにする
作2000/10/03
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