彼女が泣いた日/ala
 
押し殺した様な声は逆に響いて
横で眠る俺にも声が届く
だけど起きる事は愚か
抱きしめる事も出来なくて
歯がゆくてもどかしくて
苛々する

全く、自分が泣かせたと言うのに馬鹿馬鹿しい

ごめんね?
そう言えたら良いんだろうけど
俺にはとてもじゃないが言えない
だから、やっぱり抱きしめる事にした
抱きしめてキスして涙を吸い取った

『ごめんね』が言えない自分でごめんね
言えない言葉を心中だけで呟いて
彼女の身体を強く抱き寄せた

そんな彼女が泣いた日


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