銀色跳ねた/ベンジャミン
 


窓の外を眺めていたら
ちらちらと光の粒が見えて
それは屋根から落ちる
雪融け水だった

ぽたぽたと
小さな粒の集まりは
バンジージャンプをするように
春に向かっておちてゆく


おそるおそる見つめる僕


ほら、
また、

銀色跳ねた



くだけ散った水滴は
無数の光線と
無数の屈折を描いて
反射するガラスの窓に
幾重もの輪をつくる


希望とは
そういうものかもしれないね


ほら、
また、

銀色跳ねた



小さな虹が
目をほそめながら笑ってた


ほら、
また、



春が近づいてきた





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