皮膚の下。/
佐々木。
部屋の隅の方から、欠けてきたように思う。
そこからは、普段目にしない景色が見える。
日々の生活を脅かしかねないような恐怖感が、
見えるのです。迫ってくるのです。
私はどうしよう。
受け入れよう。
そして怖がろう。
欠けるまで放って置いた私が悪い。
けれども決して心配はしないで下さい。
私は決して壊れない。約束できる。
剥がれ落ちた壁を、元通り綺麗にしていく。
私は結局、なんにも感じないから。
ただ安心する音があればいい。
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