逆さに育つ花/maumi
道に道無く目隠しの子供が座る
目の前に落ちた小さな手に生は無く
大人より食べない子供が
大人に殺されるのは何故
僕の耳に届く幻聴の手紙を
聞こえない振りをして無感情に振舞う
掻きむしった傷跡に残る縮緬(ちりめん)
突きつけられた銃の先に温度の無い花
選択の余地もなく
乾いたタンっていう音が小さくなっていく
僕の肩に付いたアザ
僕の肩に付けられたアザは
本来の君のチカラで着くはずもなく
生きたいが故の執着のチカラ
倒れた君をみて
知らないはずの母をみる
母が作るパンは美味しかったと
彼が呟いたような気がした
配給のサンドイッチを食べる
パン
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