揺らせ リフレイン/木立 悟
ン
曇は去り
明るさは少なく
夜は近い
灯りは昇る
むらさきのなか
水柱のように
むらさきのなか
むらさきは昇る
小さな銀の泡の音が
足もとにからみ まとわりついて
どこまでもどこまでもついてくる
ひとり
ひとり歩きはじめるたびに
音はひとつかがやきを増し
高く低く したたるように
定まらぬかたちに道を照らす
ひとりつづくリフレイン
星と星のはざまは響き
いつかすっかり夜になり
うたは地平に遠のいて
灯りとともに昇りゆく
標のようなリフレイン
消えつづけ 現われつづける羽の道を
ひとり歩む手のひら揺らせ
夜空みつめる涙を揺らせ
リフレイン
揺らせ リフレイン
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