さよならの雪だるま/ベンジャミン
 
(ゆーきや、こんこん…)

めずらしく降った雪のおかげで
妹は
はじめての雪だるまをつくりました

あんまりまるくないところが
妹の性格と似ていて
思わず笑ってしまったことを
今でも覚えています

(あーられや、こんこん…)

棒にかぶせた手袋が
自慢げに高々と手をあげていたのは
ほんの数日だけでした

(ふっても、ふっても、まだふりやまぬ…)

良くなる天気と裏腹に
妹の咳はひどくなり
融けてゆく雪だるまのように
妹も弱々しくなってゆきました

(ゆーきや、こんこん…)

窓にしがみついて
外をじっと見つめる
妹の視線の先には
今にも消え
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