俺が腰抜けと名乗る理由/腰抜け若鶏
 
君はいつも全身で一喜一憂
わずかな変化も見逃さない感度良好のアンテナ
だから強烈な電波には耐えられないんだろう
そういう所が僕と似てる気がする

僕は夢みたいなお伽噺をそのまま信じて
不確かな明日の風に流されてる
僕はまだ子供なんだ
どっかでそうやって世界に甘えてる

その航路は良好と予測した敏感すぎるアンテナは
白いハンカチを空に向かって放り投げた
真っ赤なバラの刺繍入り

下から見上げてる小さな偉人たちは
深い皺の刻まれた顔と重く落ち着いた声で
お前も一度働いてみろ
そうすればすべて分かるといつもお決まりの文句

僕らに許されたモラトリアム
すべての自由
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