鳴かないカナリア/麒麟
 
鳴かないカナリア
枯れた白百合
ガラスの割れた本棚
傷だらけのギター

 折れないように
 志だけは
 例え孤独が
 体に沁みても

倒れた男
撒き散らした酒瓶
涙の跡
微かな自嘲

 宝物は
 ただ一つだけ
 確かに
 秘密の場所にしまったはずで

古びた時計
錆びたアンクレット
磨り減った革靴
色褪せた毛皮

 何かが過ぎ去ってしまって
 過ぎ去ってしまって
 あぁぁ、、、過ぎ去ってしまった
 過ぎ去、、、

割れたガラスの破片
傷だらけの手首
こびり付いた絨毯
赤い蝋印の手紙

…過ぎ去ってしまえばいい
 忘れられていくがいい
 見たくない
 俺はもう何も見たくない、、、

戻る   Point(2)