柳が揺れている川/便乗鴎
 
  (次の詩は人工河川から拾いました)



柳が揺れている川辺があるでしょう
昔よくあの川に
なんでもかんでも投げ込むひとがいて
お父さん 
仕事終わったらすぐ 番をしていた
おばあちゃんお父さんのこと
最後まで判らなかったけど
多分あの川を お父さん
愛していた
会社が危うくなって
残業が多くなったときなんかもかかさず
お弁当とは別に
おにぎり頼まれたから
あんまり熱心で
おばあちゃん嫉妬したものよ
あんな河川の
何が良いのよって
本気で怒ったこともある
だけどいま
川があんなになって
今無くなろうとしていて
そしてすべてが
変わろうとしていても
地続きに続いていくものもある
託されて
そしてまた告げられていくことがあると
今日は伝えたかった 
あなたに
あの柳が揺れている川のように
続き、流れていくものがあるんだって
話したかった

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