雪降る夜、ある町の片隅で。/腰抜け若鶏
もうすべてを忘れたいの
人形のように君はそう呟いた
閉め出された 真冬の夜
まだ絶対に何かいい事あるよ
頼りなく僕は言葉をつないだ
ぬくもりという確かなもの
知らなすぎた哀れな僕ら
同い年のあの子は今頃
温かい家の中で家族と七面鳥食べてる
膝の上には大きなプレゼント箱乗せてさ
食後にはママの手作りケーキが待ってる
誰か誰か 聞いてくれ
ぬくもりをほんの少しでいいんだ
僕らに恵んでくれ
このままじゃ僕ら凍えてしまうんだよ
誰か誰か お願いだ
どうして私達だけ?
悲しそうに君はそう呟いた
降り続ける雪 肩に積もってく
いつか僕らだってさ
涙を
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