風/日朗歩野
 
小さな動物は
すぐに忘れ

樹は忘れないが
こだわらない

そんなものたちが たくさんいるところ
風が吹いてる


 さむいな

  あたたかいな

 かなしいな

  うれしいな

 おなかがすいたな

  おいしいな

 そのままを そのままに
 それ以上にせず
 それ以下にせず

 そんな風が吹いてる


僕は
深呼吸
まっすぐに

風に
洗い流され

生きている
今 確かに

僕は また がんばれる

人々の想いで飽和した
風のない
僕の街に帰っても

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