帰路/便乗鴎
ハピネスという薬が売られている
誰もが 誰もこんなもの買わないだろうな と想っていた
そう口にしていた
だけどあなたの袖についてるものはなんだ
あなたのポケットから 零れているものはなんだ
おい なんだよ って
問い詰めようと僕は向かい
だけどもう駅前に
誰の姿もない
ただ電燈の灯りがみていた
長い舗道を帰っていった
電話を持っているけど
誰にも知らせたくない 知られたくない
家に着いたらなんて答えよう
なんて言い訳しよう
今日 僕はひとりきりで 何処にも行けなかったってことを
腕時計は止まっているのに
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