壁/葉leaf
非世界から吐き出された器としての私性
一滴の光でさえも顔料にして
熟したひだの内側へと塗り込んでゆく
ゆらめく環としての仮性植物
突起した肉からしたたる千草色の液
私は世界のあらゆる空に押し込まれて
たたずむ影を毛羽立たせる
明け方を区切る金属製の罪を
張り出した頬からそぎ落としてゆくと
硬くひびく腸のなかに
炎々たるせせらぎが生まれる
私は満ちるそして非世界を投擲する
それは君の肌を沸き立たせて
世界として散りはじめる
非世界から抜き取られた歯としての私性
姻族である獏たちから色を集めて
はためく憎悪を照り返してゆく
君は放射性の爪を羞じているので
それ
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