コ・タオ/七尾きよし
眠れない
蚊帳の中寝苦しそうな貴女の
汗ばんだ肌をじっと見つめながら
手と手を重ね合わせて
ぼくらはつながってるんだと
確かめようとした夜
独りぶらぶら浜辺を歩く
ヤシの木揺らす風に
吹き寄せられてハンモックに横たわるボク
一年に五人くらいは死ぬんだよ
と聞いたことを思い出し起き上がると
ドスンと背中をかするココナッツ墜落した
ナタを一振り実がぱかりと裂ける音
ジュースはまずボクの口へ注がれる
幾重もの繊維質に囲まれた殻の中
ココナッツジェリー
ジュースの後のお楽しみ
バンガローに戻るとベランダにもハンモックぶーらぶら
どこに行ってたの
と黒いふちどりの中の瞳がぼくにささやく
返事することなくするりともぐり込み
ぶーらぶーらと
二人揺れていた
揺れる揺れる
お月様の下
南の国の二人
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