海に臨む/
便乗鴎
人工河川
出身の知れない街燈 ゆりの花
覗く海の波が
そのまま風になってきている
崖の上の家々は
吹きかえし
灯りを点す
海の あの銀色の悲しみは
戦争で沈んだ船が反射し、輝いているんだと思う
空の あの灰色の朧(おぼろ)げは
仄(ほの)かな苦みは多分、死人の群れだと思う
いまブルーの車がざあっと駆けていく
この国道の行き先は
知っている
知っているよ
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