Never For Ever/クリ
 
 クリック。

「へえ、おまえの好みはこんな娘なのか?」
「っていうわけでもない。デフォルトの唇を少し薄くして、斜視気味にしただけ」
「ほんとに?」
「あんまり手は加えてないよ」
「なんだか誰かに似てないわけでもないな。ほらっ…」
「詮索しなくていいから、喋ってみる?」
「いいよ。おまえが話をするのを聞いてるから」
「分かった。じゃあ」

「こんにちは」
『…』
「どうしたの? 二日酔い? 目も真っ赤だし」
『…分からないの? そうよね。何日も恋人を独りぼっちにして平気な人には、分かるわけないわよね』
「君は、何か重大な勘違いをしているんだよ。それ以上君がおかしなこと
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