砂丘/
便乗鴎
利己主義の果て 僕の砂丘
雨は降らない
唇が乾く
ただ黒いピアノが鳴っている
月はなく、だけど暗くはない
足場は抜けていくけど、つらいというほどでない
何もないことのほうが、それは切ない そして綺麗だよ
腫れぼったい闇のなか
座っている安心を遠く
幼い頃に知ってしまった
空に
鳥が飛んでいた
何度も 話しかけていたんだろう
声にならない、空気にさえ頼りはしない 鳴き声で
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