明けの明星/朝倉キンジ
生きている性質に,進むことを促すような
活動領域がどこかにあって
そこの何かごく小さな信号のようなものが
僕の進むことを前提にともっている,
そんな気がします。
そしてそこでは
誰かと同じ時間座標に生きているということが,
お互いのたよりないしぐさを感じるということになる。
生存とは冬の星のように
広がりをもたない点であり
その2つの点が確認しあえるのは
そのたよりなさを限りなくそのひととして
感じられたときだというのなら
かえって,何より確かなこととも思われます。
しかし結局,
どんなに自分と異なるものとして惹かれても
互いに等価な命なら,
その不思議さを眺めているしかない・・・
僕が,燃えるプルシャの火を
巨蟹宮にみつけると,
誰かは,陽だまりのにおいを閉じこめた
石英のかけらを拾いあげる
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