一日は、臨界する空の/霜天
いつか
笑い飛ばせる日のために
一枚の部屋に絵を描いている
暖かい一日の始まりと終わり
そこに溶けていく人たちのように
降り積もる行き止まりに
立ちすくむ人を見ている
その背中を通過できなかった季節が
私の前で濃くなっていく
お気に入りの角を折れていったことを
誰かが覚えていたとしても
そこで笑うしかなくなって
いつも、階段を下りていく
今日も装飾された窓辺から
夢見がちな路地を走る少女を追い掛けている
その行き先は、言葉にしても届かない
偶然、昨日にすれ違えば
ただ、まっすぐに金色の
月を見ていた
帰る場所なんだと、信じることにして
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