*なみだがわ*/かおる
 


夜と昼間のあいだには
真っ暗闇の泪川

ほんの些細なひとことで
抜き差しならないドツボに嵌り
この頃の寒さも張り付き凍えてく

あまい言の葉に ほだされて
安眠毛布のクモの糸

音が静かに 降り積もり
溺れる日々を懐かしむ

冴え冴えとした青白き光のもと
一艘の笹舟が粛々と進む

かじを忘れたせんどうの
指針も決まらず

ぐるぐる回る
急流下りのラフティング

転覆するのは時間の問題

持ちこたえろ あと少し
あたしの夜明けはもうすぐだ


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