東京Days/霜天
 
も見えない

 日暮れの裏路地で
 どこの言葉か分からない声を、聞いた
 細かく、分断された地図の上です
 僕らの、測るような囁き
 どこに紛れていっても、どうにかなりそうで
 つまずかない、目を閉じて
 その手をつかんで歩いていたのは
 どうにかなりそうな地図の上、だからで


蓋をした、部屋
どこにもいけない想像で
もう一度目を閉じる
ため息の優しさ
今はどうにも
滑り込んでいきたくて

それがほしい、と言う
それがほしいの、と
望まなくても触れている人
考えている可能性の
混ざり合った地図の上で
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