ランタン売り/
暗闇れもん
暗い夜道の向こうからランタン売りがやってきたよ
道行く人には見えないらしい
こうもりマントをすっぽりかぶり
すべるように探しているのさ
まれに時間の隙間に落っこちた
わたしのようなものをね
黒目しかないくるくるとよく動く眼
節くれ立った指でわたしの眼球をなぞる
じゅっと燃える赤い炎が
焼けてしまうよおかあさん
くるくるとくらいくらい
気づき見渡すわたしは元の交差点
くすぶる火種をそっと消す
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