真理のゆめ/たちばなまこと
それは空からおりてきて おなかの中にもぐるんだ
赤いベット 眠るように 人の子の芽が生えて
私のからだが揺りかごになったら...
真理とはゆけなくなるんだ
それはふくらんでね それは蓮の華でね
ひねもす呼吸を やめないんだ
真理は 違う華から生まれたんだよ
君が華の揺りかごで ゆめばかり見てた頃には
私はこの河も 真夏も 凍えない秋も
知らなかった
握った手を伸ばす
太陽は一時間で 山の縁にかかるだろう
次の國の朝にまで 連れ去られないように
真理のからだにありったけの からだをよせた
真理は 小さなさようならを知ってる?
“またね”ってことでも あるのだけれど
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