ミュンヘン 2006/
英水
彼女は街の一番高い場所にあるカフェで
眺めは先をゆく教会の尖塔に係留させて
クランベリーケーキを焼いている
その白い腕
夜、二人は黙ったまま、二の腕を削った
蝋燭のカスが ベットに散らかっている
朝、脳が何かを消したらしく
擦(こす)り出された脳漿のカスが 床一面に咲いた
石灰水で脳を洗った
灰は指に差した
氷が帰ってゆくthere
春が小指に力を入れるthere
詩集という名の遺書を書こうと思った
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