スランプ・スクラップ・スープ/佐々宝砂
 
からっぽになったら書くことがなくてすっきり。
かも。と十九のとき思った。
おおまちがい。

胸に睡蓮が咲くなら小説にもなるけど
胸にスランプの大穴じゃ
退屈なエッセイにすらなんないもんね。

誰かのせいにしてみましょう。
そうすると詩になるかもしれません。

1.私が詩を書けないのは母親が愛してくれなかったからである。
(事実に反するので却下)
2.私が詩を書けないのは詩が私を愛していないからである。
(事実だと思うがだからといってどうしようもないので却下)
3.私が詩を書けないのは私によい読者がいないからである。
(事実のような気もするが突き詰めると怖いので却下)
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