私の宇宙/江戸
 
絶対という言葉は
私の宇宙外のものでした

私の宇宙ができる前は
人は人を人と気付かず
踏み潰していて

私の宇宙の隣では
人は人を人と認めながら
争っていて

そして

私は私の宇宙に
生暖かい羊水を
満たしました

なのに

絶対という言葉は
それを栄養分にして
ウイルスのように増殖して
私の宇宙を脅かすのです

いつか

私の宇宙は
泡になりはじけて、
無だけが残るでしょう
でもどうか もう少し

だから

あなたが
絶対という言葉を
覆した時は私
胸をなでおろしたのです
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