粒 子/
紫野
高く空に刺さる 木の 黒い
黒い樹たちの隙間から
降る音 来る音
その向こうに棲む おと
冴え冴えと
地に降り積んでは
ゆる、と めぐる
発した声は
やわらかなひかりとなりて
木霊のはざまに走りゆき
樹上に少し
たちどまる
往く音は
耳 から のど へ
眼は かの影を
射られようとも 捉えようと
しずかにそのときを
待っており
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