雨になる前に/
岡部淳太郎
窓の外の濁流の中
へと放り捨てて流れる
にまかせた物もあった
のだがあれらの物ども
が漂着した場所流れの
果ての河口のような場
所はどこにあるのかを
考えて眠れないことが
あるのも事実なのだが、
時事の、
外のざわめきの中で
幸いを探すのは
もうやめにした
何が許されてあり
何が許されずにあるのか
いくら思ってもわかるはずはなく
許してほしい
死んだ人よ
私があなたに貼りつけた
すべての生の痕跡
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