無重力のなかで 〜最期に見た儚〜/大城 小町
悲劇とは
輪郭の無い新月の様
悲劇とは
無言に語る琴の調べ
悲劇とは・・・
悲しいけれど
とても悲しい事だけど
受け入れなければいけない事が多過ぎて
今夜も独り
独りきり彼方の記憶を辿る旅にでます
喜劇とは
振り返る時に響く笑い声
喜劇とは
永久に奏でる鐘の音
喜劇とは・・
涙がいつか渇く時
運命の意味を知った時
華が枯れ
新たに花が咲いた時
きっと
きっと目の前で
透き通る青は迎えてくれる
今までの時間を取り戻す様に
旅人は旅に
華は花に
悲劇は喜劇に・・
彼方の事を忘れません
そう胸に刻み
出発を決めた夜明け
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