海の如く/maumi
 
暗闇に落ちる雫

その音に紛れて足音
草履と布擦
円を描く竹の先端に月夜

業物の波紋が揺れ海の如く
深となる藍い闇
こよりを尖らすよう
気が張り詰め
月に照らされる藍に
一線の軌跡
闇夜が縦にずれる

刃から赤い雫が一滴

その音とともに
倒れる屍
広がる雫は

凪ぐ海の如く




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