雪うさぎ/ベンジャミン
赤い木の実の瞳から
流れる涙は止まりませんでした
身体の悪い妹に
この冬はどうにも寒すぎて
コンコン、コンコンと
咳を繰り返すたびに
雪が降り積もります
それでも妹は
「兄ちゃん、雪うさぎをつくってよ」と
雪のように白い肌を
少し赤らめながら言うのでした
僕は手袋をはずして
突き刺さりそうな
その冷たさを気づかれないように
やがて
同じ色の小さな庭に
飛び跳ねもせずにできあがった
真っ白な雪うさぎを
妹は
飛び跳ねて喜んだのでした
そして何処からか見つけてきた
赤い木の実を
くりくりとした瞳にはめて
部屋に戻ってからも
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