壁、眠らない詩人と/プテラノドン
 
眠らない詩人は、そこにいる、誰もが眠っている間に
手にしていたスプレー缶を空にした。
彼、彼女が去った後、無数に立ち並ぶ
壁という壁は痙攣していた。
何故って、シンナーの匂いのせいじゃない。
一個の時代精神が、まぎれもない
真実が宿っていたから!
 とりとめもない詩に登場する町の、真夜中の壁に。

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