眠れる森の/蒸発王
 
見・感覚・記憶を兼ね備えた
完全なコピーとして動き始める



いざという時
事故や死に頻した時
必要なコピーとして

PHSロボットは普及していった



彼女は笑顔で
あいさつをすると
自己紹介をした

くるくるとまわる表情が
本人そのものとしか思えず
僕は
興味がわいて
彼女を食事に誘った



何度かそれが続いて

彼女は知人から友人へと進級し

頻繁に会うようになって

友人から恋人へと昇格した

何年も一緒に暮らして

恋人が妻に出世しようとしたとき




病院から通知があった

『本人』が
意識を
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