ハル/
霜天
暖かい陽射しのこと
すべてが溶けていくこと
僕らも、溶けていくこと
ハル、もう少しで
水よりも温かい指先
確かに、そこにあった気がする深呼吸
ハル、ここに残されているものは
昨日のさよならよりも、ほんの少し遠い
僕の視線から二番目のドアをゆっくりと開けて
ハル、そう呼んで君は
いつもより速い世界に乗り込んでいく
ハル、そこに近づければ
僕らはもっと間違えていける
あの日がずっと循環するくらいに
ハル
そう呼べば、君は
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