姿の源 ?/木立 悟
 




冬の光が一本の木を撲ち
水のなかの空はむらさきになる
北の方からやってくる雨
無数に分かれ ひろがり
続きつづける水たまりの言葉になっていく



金の雲 金の雲
ひとつの空の花のなかから
とどまることなくひらきかさなる
空 音 舞 水
すべてが金色に落ちてきて
川の上を流れゆく
失われた生地の影をゆく



狭い地へ
心地よい誤解に満ちた地へ
次々と落ちてゆく鉄の輪の音
夜のなかを降り来る
糸のように細い石
無の外 舞の外
水紋もなく 見るものもなく
ただ水底へと突き刺さり
はじまりのかたちを描いてゆく








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