二十五時まで待って/ZUZU
午前五時
買ったばかりのブーツでも足がかじかむ
約束にはまだ早いけど待ちたいからあのコを待つんだ
ふたりで今日どこまでもいこうって約束した
午前七時
バスが通勤のサラリーマンを詰め込んでいく
朝日が濡れた窓に反射して
まぶしそうな吊革の女子高生にあのコのおもかげがかさなる
午前九時
やってくる人にいちいちドキリとしてしまう
何度会っても何度約束してもこの瞬間はいちどきりだから
あのコのことならどんな人波のなかでもきっと見つけてみせるんだ
午前十一時
約束の時間は二時間過ぎたけれど
すこし遅れるかもしれないってきのうメールが来たから
ふたりの出会いから今日ま
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