姿の源 ?/木立 悟
 
子の空が手に手をとりあい
地と雨の間をまわりつづけ
金色の街を消してゆく
三つに渦まく夜の下で
手のひらのあかりをいま一度見つめて
独り歩むものは
霧の門の外へと去ってゆく



かえすことなく打ち寄せる
朝の海に落ちた光の群れ
誰もいない浜辺から
ななめ上の空へと
飛び去ってゆく鳥
飛び去ってゆく青
遠く高く 水平線に
いくつかの笑いがこだまする
言葉が 言葉が
表わすことの作為を越えて
文字のむこうへ 色のむこうへ
音のむこうへ
こだましつづける










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