Gimme Shelter/便乗鴎
生まれときから楽しいことをめいっぱい求めた
テレビゲームは非生産的な気がして仕方ないから
(いまテレビゲームへの疑念は
詩に向けられている)
八千円のアコースティック・ギターを質屋で買った
楽しいことしか知らない
それは先天的な虚しさというもの
初め、
僕らは僕だった
雑多な、
夜の暗室のなかで曲づくりの真似ごとをしていた
あるときはたと
不明確な、
外にでる必要性にかられて、いや
小石に躓いて 僕は 僕らになった
バンドになった
錆びついた商店街の青空、
虚しく響くスタジオ部屋のノイズ、
店番の親父が弾く
試奏してあげるといってはひけらかすレッ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)