雪眠る/
たもつ
何故降り積もったのか
僕らを組成する因子は
間違えることなく
ある日僕らを僕らにした
悲しみは毎日のように語られけれど
掌には幾ばくかの幸せが残されている
まだ誰も本当の悲しみなど
知らないのだから
やがて木々が芽吹く頃になると
解けた雪が地下の水脈を潤すように
僕らはまた僕ら以外のものに
還りたがるのだ
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