狐の面と指の隙間から花火/maumi
すぐさま起きる月夜の晩に
指の隙間から 月光浴
後ろ向きに着けた 狐の面
太鼓の音で 起きそうだ
硝子玉のような林檎をほおばり
ユラユラ泳ぐ金魚は 紙の上で跳ねた
よつゆに濡れた葉っぱは
足首をくすぐり
近くの田んぼはウシガエルの声がする
好きなあの子はどこかいな
鉄砲買ったか
水あめ買ったか
とおもろこしは高くて買えん
指の隙間から 赤い花火
好きなあの子はどこかいな
後ろに着けた狐の面が
あの子見つけて踊りだす
すぐさま起きる月夜の晩に
涼風たなびく 窓の外
硝子の金魚が チリンと鳴った
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