優しい世界/
霜天
ば、また
触れることが出来た
遠くない人が、笑う
そんな優しい世界で
優しい世界、に
崩れてしまいそうになるのは
まだ朝が遠いからで
崩れ、ていきそうになるのは
言葉が待ちきれなくなるように
ただそこで眠っていた
時間が落ちていった後には
柔らかい約束はそこかしこに
気付かない振りをして笑う、君の
埋まらないものは何もなかった
残されている世界は
何も、静かに
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