姿の源 ?/
木立 悟
自分が火であることを知らない火が
午後を 夜を さまよっている
持ち上げることのできないものを持ち上げようとして
燃える腕を宙空で
ただぶるぶると震わせている
月の下
くすぶる夜の雲の下
道はみなやわらかく見える
とけのこる雪が
海のように青い
空に浮かぶ見えない鉄を
風が鳴らして過ぎてゆく
降りても 降りても
積もることのできない雪
朝を飾る羽のように
空へ昇る
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