姿の源 ?/木立 悟
 



鏡の底に雪が降る
夜の終わりが
夜のはじまりへと落ちてゆく
地に映る光が
空へ空へとのぼってゆく
鏡の底に
ゆっくりと降りてくる逆さの鳥
沈んでゆくもう一人の自身を見つめている



午後が午後のまま夜になり
冬は別の光に変わる
11月 12月 1月
限られた月が空に連なる日
鳥は白い道をゆく


   空を呼ぶ
   くりかえす
   野に沈む
   岩の船の上に
   光はいる


雨の名が
風の名が
独りの背中を
照らしつづけている



何かのはじまりのように
鳥が人のかたちを得て降りてくる
夜の蒼
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