真夜中の羊/ベンジャミン
真夜中眠れずかぞえた羊
眠ろうとするほどに増えてゆく
小さな柵をとびこえて
いつしかそれは羊ではなく
羊のようなものになって
やたらと足が長かったり
やたらと顔が大きかったり
すっかり見とれて眠れない
真夜中羊は疲れもせずに
小さな柵をとびこえる
さっきの奴は着地でこけた
今度の奴とは目が合った
そんなことはどうでもいい
僕はただただ眠りたい
軽々柵をとびこえる
妙技に感心してる場合じゃない
ふと見れば
まるで僕みたいに無器用な奴が
とびこえられずに右往左往
仕方ないなと近寄って
そっと抱えてやろうとしたら
ようやく僕は眠りにおちた
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