花の一枚、空の一筋、約束までの一秒/霜天
僕らはもう一度、同じ視線で
ここで、同じ場所で、同じ時代で、同じ歩幅で
いつも抱かれながら、抱きしめているような
同じ視線で、同じ空を、席を詰める仕草のままで
見ていてくれた、誰かの隙間へ
遠回りでも
追い付ける手のひらは、どこよりも温かいはずで
間違えても、繰り返さないような円い道程を
走る、一秒の約束の、そこにたどり着くための
手を大きく広げたら
深呼吸をするように
またどこかでさよならと言っても
いつだって帰ってこれる気がする
また吼える、その内側の夕波が寂しくても
そこからの人は、いつも誰かが
遠くても、同じように立ち向う
風がどこかで生まれても
いつも隣に座る
そこへたどり着くための
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