陽射しを追って/松本 卓也
 
手を伸ばした先に
掴みかけた陽射し
するりと零れ落ちる

温もりが少しあって
冷たさがやって来る
1月の空に投げかける
呟きは喧騒に隠れ

とめどなく詠う詩は
誰かが作ったものだけど
僕よりも僕を表してくれる

君の言葉も僕のもの
それは一つの慰めで
僕の言葉は僕のもの
それは大きな勘違い

積み上げていく言葉
踏み台にしていけば
いつか陽射しを掌に

いつか温もりをこの胸に
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