歯車としての誇り/はらだよしひろ
 

暑い影の中で佇む夕日

どこかへ行けば
きっと遠いものが近くなる

見えるものなど何もない
時と想いは近づけるもの

流されるような心も
スピーカーのように
キリキリと火照って
感慨に離された
一途にまどろむ

飾りのない風景
飾られたままのゴミの山

生きていく自分は
生きる事で
存在を消耗するのが嫌だから
削れた純真を塞いで
果てになる

見えざるもの
そして見えざるもの
見えない影が
存在となって
私を囲み
私となる

誰かが僕を触れることなく
すっとすり抜けても

貴方は貴方として触る事ができる時もあろう

揺られるままに
押されても

押されるままの自分が自分だと
胸を張ればいいじゃないか

きっと意味は繰り返され
存在も繰り返され

私も私で
貴方も貴方だ
戻る   Point(1)