知床/
北原春秋
春日のポカポカ暖かい一日だったら
どれだけ俺の心は救われたか・・・
晩秋の斜里は天国のように思えたろう
遠浅の海岸べりで
日がな、潮干狩りをして
子供たちと遊んでいる人たち・・・
それを見ている自分
でも、俺には突然、牙をむいたあの野犬の
うなり声が耳にこびりついて離れないのだ
森羅万象の一切が
手から零れ落ちて行くような
情けない気分
甘ちゃんの日本人・・・
世界遺産に登録された
問わず語りの
幻と癒しと秘境の大地・・・知床
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